英語学習教材のラダーシリーズで「The Case Book of Sherlock Holmes シャーロック・ホームズの事件簿」を読んでいきます。
ラダーシリーズはレベル1～5までありそれぞれのレベルにあわせた英語で書かれています。今回の「シャーロック・ホームズの事件簿」も原作ではなくリライトされたものが収録されています。
全編が英語で書かれたリーディング教材です
「シャーロック・ホームズの事件簿」
「シャーロック・ホームズの事件簿」は1927年にシリーズの5つある短編集のうち一番最後に出版されました。
シャーロック・ホームズが初めて登場した「緋色の研究（A Study in Scarlet）」が出版されたのは1887年なので当初は電報が当り前だった通信手段に電話が登場したりと時代の流れを感じることができます。
12作品が収録されていますが、そのうち以下の4つの作品が今回のラダーシリーズに収められています。
- 「高名な依頼人」
- 「白面の兵士」
- 「這う男」
- 「ショスコム荘」
ラダーシリーズ Level3とは
「シャーロック・ホームズの事件簿」はLevel3になります。IBCパブリッシングのホームページによるとLevel3はTOEICのスコアでは500～600点、英検だと準2級が目安とされています。
使用語彙は中学校で学習する単語 約1000語+使用頻度の高い単語 約600語で総単語数は26,600語になります。
ラダーシリーズは巻末にワードリストがあり中学校レベル外の英単語の日本語訳（Level3以上）がのっているのが特徴で読み進める手助けとなります。
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登場人物とあらすじ
The Adventure of the Illustrious Client「高名な依頼人」
Sir James Damery / 依頼人の代理
Baron Gruner / オーストラリア人
Violet de Merville / de Merville将軍の娘
Shinwell Johnson / ロンドンの情報屋
Kitty Winter / Grunerを知る女性
Sir Jamesはある人物の代理としてHolmesのもとへと訪れました。依頼内容はde Merville将軍の娘であるVioletが悪名高い男Baron Grunerと結婚しようとしているのを阻止したいというものでした。
始めは依頼人をあかさないSir Jamesに難色をしめすHolmesですが、話を聞き引き受けることになります。HolmesはVioletを説得できるだけの情報を集めることができるのでしょうか？
Grunerはずる賢く冷徹でかなりの難敵です。そんな手ごわいGrunerに接触を試みるなかHolmesは暴漢に襲われてしまいます。はたしてHolmesは？
ワンポイント
新聞の見出しにはHolmesが襲われて重傷との文字が！Dr. Watsonは急いでHolmesのもとへと駆け付けます。
The Adventure of the Blanched Soldier「白面の兵士」
James M. Dodd / 依頼人
Godlfrey Emsworth / 依頼人の親友
Colonel Emsworth / Godlfreyの父親
いつもはDr. Watson目線で書かれていますが珍しくHolmesが書き手となった1作です。
依頼人のJamesは親友のGodlfreyを探していました。軍隊にいたころ知り合い意気投合した2人でしたが、Godlfreyが戦地で負傷し病院に運ばれてからは一度手紙をもらったきりで音信不通となってしまいました。
JamesはGodlfreyの父に連絡をとってみるも、海外を旅行していてしばらく帰らないとのそっけない返事がくるだけでした。
まったく連絡をよこさないことに納得できなかったJamesはGodlfreyの両親が住む屋敷へとむかいます。
ののDr. Watsonに自分で書けといわれてしまった経緯にも注目です。
ワンポイント
Godlfreyの父親は息子の親友である依頼人に対して高圧的で不機嫌な態度をみせます。どのような理由があるのでしょうか？
The Adventure of the Creeping Man「這う男」
Trevor Bennett / 依頼人
Professor Presbury / 著名な教授
Edith Presbury / Presbury教授の娘
Alice Morphy / Presbury教授の婚約者
依頼人のTrevor Bennettはヨーロッパ中にその名が知れ渡っているPresbury教授の秘書をしています。
61歳のPresbury教授は研究に人生を捧げ、私生活でも何の問題もありませんでしたが同僚の娘と再婚を決めてたあたりから様子が変わり始めます。
2週間も行き先をつげずに家をあけたり、性格は秘密主義になり暗くなり別人のようになってしまいました。そんななかBennettは衝撃的な光景を目にします。
‘He was Creeping.’
深夜に自宅の廊下で這って歩く教授を目撃します。教授は心配して声をかけるBennettに対し罵声をあびせ去っていきました。
すっかり変わってしまった教授にいったい何があったのでしょうか？
ワンポイント
ロンドンから定期的に届く手紙、そして教授が海外から持ち帰った謎の小箱。いったい何が入っているのでしょうか。
The Adventure of Shoscombe Old Place「ショスコム荘」
John Mason / 依頼人
Sir Robert Norberton / 依頼人の雇い主
Lady Beatrice / Sir Robertの姉（妹）
調教師をしているJohn Masonは雇い主であるSir RobertがおかしくなってしまったとHolmesに相談にきました。
Sir Robertは金銭的に大変追いつめられていました。次のレースに勝たなければすべてが終わってしまうという状況でした。
Sir Robertは夜も寝ずに目つきも鋭くなっていきます。また仲の良かった姉のLady Beatriceに対する態度もすっかり変わってしまいました。
そしてさらに奇妙なことにSir Robertは夜な夜な敷地内の小さな古びた教会の地下聖堂へと向かうのでした。
ワンポイント
Sir Robertだけではなく、姉のLady Beatriceも以前とは変わってしまったようです。2人に何が起こったのでしょうか。
ポチップ
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リスニング力も鍛える
この作品はaudiobook.jp
で音声を聴くことが可能です。
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奇妙な出来事の真相とは？
タイトルに知らない単語が含まれていると読むのに躊躇してしまいますね。原作のタイトルをそのまま使用しているためです。巻末のワードリストを確認してから読み始めてもいいと思います。
本編自体はいままで読んできたラダーシリーズとくらべて特に難しいということは感じませんでした。一つの作品の長さからみても前回読んだ「シャーロック・ホームズ傑作短編集」に近い難易度という印象でした。
ののタイトルは難しそうだけど、気にしなくて大丈夫です
奇怪な行動を取り始める大学教授に真夜中に教会の地下聖堂に通う雇い主などオカルト的なゾクッとする作品が含まれているのが特徴です。ぜひ最後まで読んで真相を突き止めてください。